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米「先物」申請/議論尽くすことが先決
 東京穀物商品取引所が、米を先物商品の対象とする定款変更の認可申請を農水省に提出した。食料・農業・農村政策審議会の食糧部会で、生産者や消費者、それに流通業者らが議論を行っている最中の突然の申請だ。リスクヘッジ(危険回避)の一つの手法として将来的に先物取引が必要になることはあるのだろうが、十分な理解が得られていない現状で導入を試みることには強く反対する。拙速な判断は、生産者の先物取引への参加を遅らせ、不信感を増幅するだけだといえる。
 
 今回の申請を受けて農水省は4カ月以内に結論を出すため、認可か否かの判断は遅くとも4月上旬までに示される見通しだ。認可されれば5月にも試験上場できる。しかし、同取引所は「取引の開始を6月にする」と理事長がコメントしている。試験上場は、「当該商品の生産と流通に著しい支障を与えない」ことが前提である。2006年産の田植えがまだ終わっていない5月開始となれば、生産調整に影響を及ぼすとの理由で認可されない可能性がある。それを避けるため開始時期を遅らせ、「6月開始」の注釈をあえて付けたのだ。
 
 是が非でも試験上場にこぎつけたい背景には、先物市場の先細りがある。農産物では大豆、小豆、トウモロコシなどが先物の対象商品となっている。しかし、どれも厚みのある取引商品に成長していない。1990年の商品取引法の改正で現物の引き渡しを伴わない現金決済方式や試験上場制が認められたことで、鶏卵、ブロイラー、ジャガイモ、野菜バスケットなど上場商品が増えたが、いずれも売買を活性化させるほどではない。その上、今年1月からは手数料が完全自由化され、このままでは取引所自体の生き残りも難しくなってきた。市場規模の大きな米が「最後の大型商品」として期待されているのはそのためである。
 
 先物市場を活性化させるには、当該商品の生産・流通にかかわる人(当業者)に取引に参加してもらうことが極めて重要だ。農産物には価格支持政策や価格安定制度があったため、先物でリスクヘッジする必要性が薄かったことは事実だが、同時に商品先物に対する不信感が多くの当業者、とりわけ農産物の生産者にあることは否めない。不公正な取引、強引な勧誘が先物のイメージを悪化させ、当業者としての参加をちゅうちょさせてきた。こうした先物実態を改善しない限り、厚みのある取引は実現しない。
 
 また、米は国境措置がとられているし、生産調整も行われている。需要と供給が一定に措置されている中で先物が導入されれば、生産と流通に混乱を招きかねない。価格を収れんさせる現物市場がない以上、思惑・投機による価格変動も起きやすい。米の先物を実現するには、まだ克服すべき課題があることを商品取引所は自覚すべきである。
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